Exosphere
バティア・スーターが用いる主な素材は収集された画像である。本や雑誌、新聞、地図など自然科学技術から芸術や歴史にわたる膨大なコレクションからスーターは写真を切り取り、組み合わせることで大規模なインスタレーションやアーティストブックを制作してきた。
一連の画像を構成するため、スーターは、イメージの切り取り、拡大、レイヤリング、移植、組み合わせ、合成など、夢のプロセスや論理を思わせるあらゆる手法を駆使してきた。これらの魅惑的な語り口の要素は、まるで変容が永遠に続くかのように互いに呼応しあう。
美術史家アビ・ヴァールブルクの「ムネモシュネ」—繰り返される視覚的主題やパターンを先史時代から現代を通じて辿り分類した、伝説的なアトラス―を受けて、スーターは実際に様々なソースや時代から切り取られた要素を結合させ、今まで気付かれてこなかった類似性を強調し、新たなカテゴリーを提示、また主観的な読み取りを掻き立てるのである。
Keijiban(本展キュレーション)
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CAGE GALLERY は、8月25日(金)より、金沢を拠点に活動するKeijibanのキュレーションによるBatia Suter(バティア・スーター)「Exosphere」を開催いたします。
Keijibanは、国際的なアーティストとのコラボレーションによるエディションの制作、展覧会を行うアートプロジェクト。「掲示板」という限られたメディアを基点に展開されるエキシビジョンとエディションは、それ故に多層的なレイヤーを持ち、展示・作品・鑑賞とは何かを問いかけるようです。
本展「Exosphere」は、昨年Keijibanでもエキシビションを開催したスイス出身のアーティスト、バティア・スーターを招聘。多岐にわたる画像を用いながら、それらの集合、配置によって独自の意味と文脈をかたち作るスーターの作品が、CAGE GALLERYで展開されます。
また、本展に合わせ、Keijibanとオランダ・アムステルダムのインディペンデントパブリッシャーRoma Publicationsが共同で出版するBatia Suter「Exosphere」を発表します。
展示概要
Exosphere
会期: 2023年8月25日(金) – 2023年10月29日(日)
点灯時間: 11:00 – 20:00
会場: CAGE GALLERY
キュレーション:Keijiban
ハンドアウト:ギャラリー向かいのHender Scheme「スキマ」内
エディション
CAGE GALLERYの展示に合わせ、KeijibanとRoma Publicationsの共同出版によるBatia Suter「Exosphere」を発表
Batia Suter/Exosphere/136 p./2023
エディションの詳細はこちらをご確認ください。
Batia Suter
バティア・スーターは1967年スイス生まれ、アムステルダム在住。
最近の個展:「Hexamiles (Mont-Voisin)」、Barrage de Mauvoisin、バーニュ(スイス)、2019年、「Cloud Service」、Printed Matter Inc.、ニューヨーク、2019年、「Radial Grammar」、Le Bal、パリ、2018年。
これらの展覧会から3冊の本が生まれ、全てオランダ、アムステルダムのRoma Publicationsによって刊行された。
https://www.batiasuter.org/
Keijiban
Keijibanは金沢を拠点とした、エディションの制作・出版社及びアート作品の展示スペースです。ベルギーのアートプラットフォーム(SIC)の共同創立者であるオリヴィエ・ミニョンが2021年に日本で初めて手掛けるプロジェクトです。海外に居住する重要なアーティストのプリント、マルチプル、オリジナル作品をプロデュースし、毎月展覧会形式で「掲示板」内で発表、オンラインで販売します。
https://keijiban.online/
Roma Publications
アーティストMark Manders(マーク・マンダース)とグラフィックデザイナーRoger Willems(ロジャー・ウィレムス)によってオランダ、アムステルダムに設立されたインディペンデントのアート系出版社。1998年設立。
https://www.romapublications.org/