CAGE GALLERY

  • Moon River

    Tenki Hiramatsu / Lukas Ruster
    Moon River

    CAGE GALLERY は、2024年4月12日(金)より、ドイツ・カールスルーエを拠点に活動する二人の画家、平松典己とルーカス・ルスターによる二人展「Moon River」を開催します。
     
    平松は日本大学芸術学部を卒業後、カールスルーエ美術大学で絵画を学び、現在も同地で制作を行っています。平松の絵画は、特定のモチーフから出発することなく描かれ始め、コンポジションと色彩の中から事後的にモチーフを見つけるようにして描かれます。
     
    ルスターは、記憶、憧れ、ポップカルチャーや美術史の引用の間を揺れ動きながら、テキスタイル、身体的な感触、親近感といった感触を、絵画というメディアそのものが持つ感覚と同居させようとします。ルスターの絵は、見たもの、読んだもの、聞いたもの、記憶の中のもの、想像したものから自由に生まれ、統合されるようにして描かれます。
     
    本展「Moon River」は、東京とカールスルーエという、物理的な距離へのまなざしが投影されています。展覧会を拡張すべくアーティストたちは、サテライトスペースとして、カールスルーエにもう一つのウィンドウギャラリーを用意しました。それは、東京とカールスルーエがウィンドウ=窓によって繋がれ、絵を見ることを通して二つの場所を行き交う、ささやかな試みです。加えて、平松、ルスターと親交のある画家、フローラ・フリッツにより本展のために書かれたエッセイは、現地での鑑賞体験を拡張すべく、想像上の第三の窓として位置付けられます。それぞれのウィンドウには、平松とルスターの絵画のほかに、カールスルーエのとある場所を写した写真(そして、カールスルーエのウィンドウギャラリーには東京の写真)が置かれます。
     
     
    ***
     
     
    Liebe Freunde,
     
    Ich schreib euren Namen in den Sand.
     
    Flora
     
    “Genug über Menschenrechte.
    Was ist mit Vogelrechten?” *
     
    2
     
    how often are u so sexy and perfect and can even sleep at night?
     
    We don’t get the news here.
    It’s just
    Love and Punishment.
     
    3
     
    Der Tod von Underdog:
    „Persönlich konnte ich Underdog nie leiden, aber hab ihm nicht den Tod gewünscht.“
     
    Manchmal bin ich sehr glücklich und ruhig. Ich habe alles was ich brauche.
     
     
    Crazy is a reflection in the lake of the eye.
     
    Heavy painting
     
    *Moondog
     
     
     
    友よ、
     
    君たちの名前を砂の上に綴る。
     
    フローラ
     
    「人権の話はもうたくさん。
    鳥の権利はどうだ?」*
     
    2
     
    これほどセクシーで完璧なうえ、夜も寝られることなど、一体どれほどあるのだろうか?
     
    こちらにニュースは届かない。
    あるのはただ
    愛と罰。
     
    3
     
    アンダードッグの死について
    「個人的にはアンダードッグが嫌いだったが、彼の死を望んでいたわけではない」
     
    時にはとても幸せで、心穏やかなこともある。必要なものはすべてこの手にある。
     
     
    クレイジーとは瞳の中の湖に浮かぶ影。
     
    ヘビーペインティング
     
    *ムーンドッグ

     
     
    (翻訳:ハシュケ暁子)
     
     
     
    展示概要
     
    Moon River
    平松典己/ルーカス・ルスター
    会期: 2024年4月12日(金) – 6月30日(日)
    点灯時間: 11:00 – 20:00
    会場(東京): CAGE GALLERY
    ハンドアウト:ギャラリー向かいのHender Scheme「スキマ」内
    会場(カールスルーエ):Akademiestrasse 43 76133 Karlsruhe Germany
     
     
     
    平松典己 Tenki Hiramatsu
     
    画家
    1986年和歌山市生まれ
     
    主な個展・二人展
    2024 … und mir ist, als öffnet ein verwandter Geist mir die Arme …*
    (with Peco Kawashima), Kunstverein Wilhelmshöhe, Ettlingen DE
    2023 Unendliche Zigarettenpause, Städtische Galerie Karlsruhe, Karlsruhe DE
    Tenki and Jerry (with Jerry the Marble Faun), Castle, Los Angels US
    Es Steht kein Zebra vor der Tür (with Max Benedikt Werner), galerie brötzinger art e.v., Pforzheim DE
    2022 皆が起きるのを待つべきか、私が先に目覚めるべきか。(Should I Wait For Everyone To Get Up, Or Should I Get Up First?) Barbara Seiler Galerie, Zurich, CH
    火のないところにたつ煙 (Where There Is Smoke, There Is No Fire), Sukima Gallery,
    2021 Good Con Man, Claas Reiss, London UK
    2020 Lügen haben Beine, Robert Grunenberg, Berlin DE
     
     
     
    ルーカス・ルスター Lukas Ruster
     
    *1993 Germany
    2016-2020 Hochschule Koblenz University of Applied Sciences Social Work
    2020- current Kunstakademie Karlsruhe Class Erwin Gross and David Ostrowski
     
    Shows
    2022 Escape from New York, Kunstverein Kandel (Group)
    2022 Jahresausstellung, Kunstakademie Karlsruhe (Group)
    2023 A spy in the House of Love, Hotel Room Installation, Karlsruhe (duo with Flora Fritz)
    2023 Warmer Regen, Gottesauer Eck, Karlsruhe (duo with Flora Fritz)
    2023 After Modernism, Catherine Zeta, Cologne (group)
     
     
     
    フローラ・フリッツ Flora Fritz
     
    画家
    1998年ブレッテン生まれ
    アムステルダム在住
    カールスルーエ美術大学を卒業後、現在はアムステルダムのデ アトリエに在籍中。