Space for Others
このたびCAGE GALLERYは、10月7日(土)から写真家・Gottinghamによる「Space for Others」を開催致します。
コラボラティブ/コミッションワークを中心に活動するGottinghamは、美術、デザイン、メディアといった表現領域を曖昧化し、多義的な物語を内包した作品を生み出す写真家です。
その活動は、コラボレーターからの企画内容を原作として捉えて独自の解釈を与え、出来事を起こすなどの演出によるパラノーマルな世界観の表現で知られます。「変容」を曖昧化のひとつとして重視するGottinghamのアプローチは、インスタレーション、ウェブデザイン、広告出版物といった多様な派生作品を展開させながら、作品や作者の固有性という、創造における神話的概念に括弧をつけてみせる試みと言えるでしょう。
本展「Space for Others」は、建築家・中山英之とのコラボレーションにより生まれた写真シリーズの一部で構成されます。このシリーズにおいてGottinghamは、中山英之建築設計事務所による「弦と弧」(2017)を題材に、建築から受けたパラノーマルな感覚 ― 例えば、既存のフロアという概念が成立しない階層の曖昧さ、扉へ窓へ壁へと変化する仕切り、仕事場兼住宅であるにも関わらずその何れの目的の場所とも思えないという印象 ― を、光と影の緻密な設計を行うことで、特定のものを主役としないマイクロナラティブな光景を立ち上げ、増幅しようとします。「印象の演出」とも呼べるこの表現は、今回独自に開発されたライトボックスなどを用いる本展のインスタレーションへと拡張され、その効果はさらに増幅されるでしょう。
「建築写真」という表現領域/機能を経由しながらも、独自の解釈によるパラノーマルな世界の現出を試みるGottinghamのプロジェクトを、是非この機会にご覧ください。
展示概要
Gottingham「Space for Others」
会期: 2017年10月7日(土) – 11月26日(日)
点灯時間: 11:00 – 20:00
会場: CAGE GALLERY
協力:中山英之、三嶋一路、Studio Gottingham
Gottingham
1982年生まれ。東京造形大学デザイン学科インダストリアルデザイン領域卒業(デザインマネジメント)。ロンドン芸術大学ロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーション修士準備課程修了(写真)。デンマークでの滞在制作や同国ゲントフテ市エデュケーションプログラムの研修を経て、2009年~2013年アーカスプロジェクト実行委員会(茨城県主催)にて勤務。2012年にStudio Gottingham(株式会社ゴッティンガム)設立。「SHUKYU Magazine」ではエディトリアル・アドバイザー、経済産業省「FIND/47」ではキュラトリアル・アドバイザーを務める。
主な展覧会及びプロジェクト
《Variations / Situations》YellowKorner at IMA Concept Store(2017 10月予定)
《Treasure Hunting 2》東京大学生産技術研究所(2017年)
《アスリート展》21_21 DESIGN SIGHT(2017年)
《蔦屋書店のおみやげ》代官山 蔦屋書店(2016年)
《ブルース・ビックフォードのガレージ》VACANT(2015年)
《Think Things ―「もの」と「あそび」の生態系》山口情報芸術センター[YCAM](2015年)
《STOCK展》西武池袋無印良品(2015年)
主な写真集/出版物
『EYE CANDY』(2016年)
『Local Product Keys / 150-0033-136-0072(東京編)』(2016年)
『Local Product Keys / 843-0022-844-0024(佐賀編)』(2016年)
『Local Product Keys / 985-0873-984-0015(宮城編)』(2016年)
Untitled (Horizontal Planes #728), 2017 © Gottingham
Image courtesy of Hideyuki Nakayama Architecture and Studio Gottingham
Digital chromogenic transparency in artist’s frame
99.0 x 74.8 x 0.80 cm