CAGE GALLERYは、6月27日(木)から保坂毅「よいこは早く寝なさい」を開催します。

保坂毅はこれまで、「プライマリー・フィールドII」（神奈川県立近代美術館　葉山）、「状況／判断」（アキバタマビ21、東京）、「引込線2015」（旧所沢市立第2給食センター、埼玉）などのグループ展に参加するほか、個展も継続的に開催するなど、精力的に作品を発表し続けているアーティストです。

展示空間の壁面にマスキングテープで引かれたパースや、色彩で覆われた物体（オブジェクト）である作品は、常に壁を拠り所にしています。作品におけるパースの奥行きや鮮やかな塗料の投射現象は、リテラルに壁へと働きかけることで、しばしば作品の背景に退く「地」としての壁とは異なった物質性を強調します。それは作品がインストールされた空間や場を、観客の意識の中へ引き上げようとする作家の試みなのかもしれません。

「よいこは早く寝なさい」と題された本展は、保坂のそのような空間／場に対する新たなアプローチと言えます。蓄光塗料で彩色された作品群は、本ギャラリーの条件の中で、可視光に満ちた日中の時間帯とは異なる貌を「消灯後」に浮かび上がらせます。本展において、時間、場、作品は互いに関係し合い、仮象の風景を生みだすでしょう。20時消灯です。

Takeshi Hosaka《加法混色の絵画》 2019