displacement
displacementとは出版社Rondadeがすでに世に提出され販売された本や物を選び抽出し別の視点を再設定しShop (もしくは空間、紙面等)という場を提示し検証する試みである。
「自分たちが普段つくりだす出版物は書き換えや置き換えをすることで意図と偶然の狭間を行き来できる動きや揺れを作り出しています。紙面上で起こるこの動きこそが価値なのではないかと常に考えいます。」
Shopという場では通常、提出する側と受けて側に一方的な力が働いている。
あえて自分たちが作った本ではなく別のObject(商品)を使いその物にあたえられた、意味や意図を大幅に変容させるのではなく、別の眼差しを与えることによって差異を見つけ出し変調させながら、受けて側が新たな想像を加えることで価値を生み出してもらう。
(別のObjectを再設定することで自分たちの出版物と同様とみなすことで成立する)
「Object(商品)が変容することで起こる動きをShop(場)という受け皿で提出側と受けて側で何を交換していくのかを改めて私たちは考えていきます。」
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今回は二つの出版レーベルが一つの本(建築の構造本)をベースに捉え再設定した二つの視点を公開します。
この展示をスタートとして視点の更新を続け出版物として発売を予定しています。
Rondade 佐久間磨
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CAGE GALLERYは、6月4日(金)から日本の出版社Rondadeと中国のori studioによる「displacement」を開催致します。
CAGE GALLERYでは2回目となる「displacement」は、Rondadeによる「本」と「場」にまつわる実験的なプロジェクトとして、2019年より始まりました。今回の展示では、中国の出版社であるori studioと共同することで、二つの窓を分け合い、それぞれが表現を行います。
本展は、市場で見つけた一冊の本を、Rondadeとori studioがそれぞれ解釈し、構成されます。Rondadeは本を三次元に捉え直し、別の構造からイメージしたオブジェクトを、ori studioは窓の透過や障壁という要素を取り入れた印刷物を制作します。一見異なる解釈ですが、両者に共通するのは印刷物の平面性を立体的に解釈することであり、「本」というメディアを再考する試みと言えるでしょう。
展示概要
displacement
会期: 2021年6月4日(金) – 7月18日(日)
点灯時間: 11:00 – 20:00
会場: CAGE GALLERY
ハンドアウト:*ギャラリー向かいのHender Scheme「スキマ」内
Rondade
さまざまなアートフォームを 創造の初期衝動に立ち返り、既成の枠にとらわれない形と方法で現化することを目的にRondadeを設立。アートブック、写真集『冨井大裕 : 関係する / Interact 』伊丹豪 『photocopy』Buku Akiyama『Composition No.1-10 and the derivatives, 2001–2016等』澤田育久『substance』などを出版。
ori.studio
ori.studioは、Maxim Cormierと範雪晨より2016年に設立。主にda大 in printの出版プロジェクトを通じて、アート、デザイン、建築の意識分野において「迂回路」(detours)を生み出し、新たに生じる様々な解釈を紹介。主な出版物としては「c-site」シリーズ.「Soushi Tanaka : Post」.「n-site」。